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「ひとり親家庭」のいま~データから見る現在地~

単親育児に悩む

■国内の単親世帯の現状

 このストーリーが伝えるのは、離婚や死別などの理由で父親か母親のどちらかしかいない家庭、いわゆる「単親世帯」の現状です。単親世帯は仕事と家事、育児による負荷で親がバランスを崩してしまうケースが多く、子どもが社会的養護を必要とする状態に陥る原因のひとつになっています。

 またストーリーでも描かれているように、現代ではさらに両親の介護に直面してしまう場合も少なくありません。経済力のある父親が親権を取った場合でも、残業時間の調整や子どもの送り迎えなどに追われ、多忙な日々が続きます。このようにさまざまな要因が重なり合って、単親育児には大きなリスクが伴います。

 

 厚生労働省が平成28年に発表したデータ(全国ひとり親世帯等調査結果の概要)によれば、単親世帯の約87%を母子世帯が占め、残りが父子世帯という比率になっています。単親世帯総数で見ると、前回の調査からは減っているものの約140万世帯にものぼります。

 平均年間収入(母又は父自身の収入)の欄を確認すると、やはり父子世帯と母子世帯では収入に大きな差が開いており、後者にとって経済的要素が高いハードルになっていることがわかります。

 理由の欄を見ると、単親世帯の80%弱が離婚によるものですが、離婚率自体は近年、徐々に下がってきており離婚件数も平成15年から減少しています。(厚生労働省「平成30年度人口動態統計の年間推計」より引用)

 

 離婚することそれ自体は、良い悪いの判断ができるものではありません。誰もみな、最初からうまくいくことがわかって結婚するわけではないのです。

 とはいえ子どもがいる場合は、「子育てにおける単親のリスク」についてよく考えた上で決断するべきだと思います。というのもいくつかの理由で、単親による子育ては、やはり困難な状況に陥りやすいからです。

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『インターネット赤ちゃんポストが日本を救う』
著者:阪口 源太(著)えらいてんちょう(著)にしかわたく(イラスト)

 

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親の虐待や育児放棄を理由に国で擁護している約4万5000人の児童のうち、現在約7割が児童養護施設で暮らしています。国連の指針によると児童の成育には家庭が不可欠であり、欧米では児童養護施設への入所よりも養子縁組が主流を占めています。

本書ではNPOとしてインターネット赤ちゃんポストを運営し、子どもの幸せを第一に考えた養子縁組を支援してきた著者が国の制度である特別養子縁組を解説。実親との親子関係を解消し、養親の元で新たな成育環境を獲得することができる特別養子縁組の有効性を、マンガと文章のミックスで検証していきます。

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阪口 源太

さかぐち げんた

NPO法人全国おやこ福祉支援センター代表理事

1976年福井県生まれ。NPO法人全国おやこ福祉支援センター代表理事。自ら創業したIT会社を売却後、東日本大震災をきっかけに社会起業家に転身し、NPOを設立。大阪を拠点として、特別養子縁組のサポートに携わる。著書に「産んでくれたら200万円 -特別養子縁組の真実-」(Kindle版)がある。


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  • 阪口 源太
  • 2019.08.02